村田製作所が守山事業所を建設中
世界トップクラスの電子部品メーカーである“村田製作所”が、滋賀県守山市に新たに研究開発施設を建設する協議に入ったことが、2021年8月11日に公表されました。
名称 | 株式会社 村田製作所 Murata Manufacturing Co., Ltd. |
本社 | 京都府長岡京市東神足一丁目10番1号 |
売上高 | 1兆6867億円 |
従業員数 | 73,164名 |
村田製作所によると、”野洲事業所の業務・研究開発スペース不足”。また”将来のさらなる研究開発機能の拡充”として、一定規模の用地調査を行っていたところ、守山駅東口の情報を入手し守山市と協議検討を重ねてきたそうです。
JR守山駅東口すぐそば
村田製作所が新たに研究開発施設を建設する場所は、JR守山駅東口に隣接地。
JR守山駅を降り、東口エスカレーターを下ったバスロータリーのアーケードを真っすぐ通り過ぎた、徒歩1分ほどの好立地です。
守山駅東口の隣接地では、すでに解体工事が完了し掘削工事が始まっていました。(撮影日:2023年8月下旬)
村田製作所によると、事業名は”(仮称)守山新事業所拠点整備事業”ということで、2025年(令和7)の竣工・開業を予定しているそうです。
名称 | 村田製作所 守山事業所(仮称) |
住所 | 滋賀県守山市浮気町300-24 |
開業 | 2025年(令和7) |
どれくらいの大きさ? <村田製作所・守山事業所>
JR守山駅東口そばに、新たに建設される村田製作所の研究開発施設(仮称 守山事業所)の規模は、下表のようになっています。(以下、守山事業所)
敷地面積 | 9,999.41㎡ |
建設面積 | 最大 5,525㎡ |
延床面積 | 最大 59,996.46㎡ |
高さ | 100m未満 |
主な用途 | 研究開発・展示スペース・食堂・駐車場など |
敷地面積 <村田製作所・守山事業所>
敷地面積は、約1万平方メートル(9,999.41㎡)と広そうですが、村田製作所の事業所としては面積は小さめです。
JR石山駅すばにあった旧ルネサス工場が、約4.8万平方メートルなので、敷地面積だけを比較すると約5分の1の広さです。
建設面積 <村田製作所・守山事業所>
そのうち建物が建つ建設面積は、約0.6万平方メートル(5,525㎡)と更に狭くなります。
これは周辺環境への”圧迫感の軽減”や”周辺建物との調和”を図るために、土地の境界線からセットバックして建築されるためです。
具体的には、下記のような環境配慮が示されています。
- 守山駅側の建物正面には、フェンスを設けない
- 地域住民も通行できる開放的なスペースを設置
- 線路沿いに地域住民が、安全に通行できる開放的なスペースを設置
- 敷地二方をセットバックし、歩道を整備
- 地域防災への貢献として、非常時の電源供給・避難スペースの提供
延床面積 <村田製作所・守山事業所>
対して、守山事業所の延床面積は約6万平方メートル(59,996.46㎡)と、かなり広くなっています。
これは村田製作所が事業用地として探してきた条件が関係しているようです。
許容容積対象面積 | 約60,000㎡ |
最大高さ | 100m未満 |
高さ <村田製作所・守山事業所>
村田製作所が新築する守山事業所では、上記の延床面積を確保するために建物最大高さを約100m未満で計画されています。
これは滋賀県の超高層ビルに匹敵する高さで、守山駅では唯一の超高層ビルとなりランドマークとなりそうです。
ちなみに滋賀県内の超高層ビルは下表のようになっており、村田製作所が新築する守山事業所が完成すると、滋賀県内でもトップ10に入る超高層ビルとなります。
名称 | 高さ | 竣工 | 所在地 |
大津プリンスホテル | 約137m | 1989年 | 大津市 |
ファーストタワー大津MARY | 約118m | 2002年 | 大津市 |
リーズンタワー草津 | 約111m | 2004年 | 草津市 |
ザ・草津タワー | 約105m | 2009年 | 草津市 |
ウィングビュー | 約103m | 1999年 | 栗東市 |
アトラスタワー草津 | 約99m | 2020年 | 草津市 |
プラウドタワー | 約96m | 2013年 | 大津市 |
クサツウエストロイヤルタワー | 約94m | 1992年 | 草津市 |
周囲環境への配慮
県内有数の超高層ビルとなる村田製作所が新築する守山事業所では、周辺への圧迫感軽減や調和を図るため下記のような周辺配慮がされるようです。
- 上層へ絞り込みようなスマートな構造とすることで、建物の圧迫感を軽減
- ブラインド、外壁ルーバーで近隣マンションへの視線を配慮
主な用途 <村田製作所・守山事業所>
村田製作所が新築する守山事業所の主な用途は、”業務・研究開発・会議・展示スペース・食堂・駐車場等”と示されております。
また地域貢献として、企業展示や施設見学会なども検討されているとのこと。
駐車場<守山事業所>
村田製作所が新築する守山事業所で働く従業員数を1,000~1,600人を予定しており、従業員の通勤はJR・自転車・徒歩を基本としているそうです。
新たに設置される守山事業所の駐車場は、20台ほどで来客や出張者の対応用に確保されるそう。
元々は何があった場所なの?
村田製作所が新たに研究開発施設を建設する場所には、元々なにが建っていたのかというのも気になるところ。
この場所には元々、”ライズヴィル都賀山・守山駅前東口スポーツ広場・JR貨物用地(駐車場)”がありました。内訳は以下のうようなっています。
市有地 (ライズヴィル都賀山・守山駅前東口スポーツ広場) | 約8,329㎡ |
JR貨物用地 (駐車場) | 約1,638㎡ |
ライズヴィル都賀山
ライズヴィル都賀山は1980年(昭和55)に建設され、ホテルや結婚式場・守山野洲市民交流プラザとして利用されてきたそうです。しかし老朽化や新型コロナウィルスの影響によって、2022年3月31日をもち全ての営業を終了されたとのこと。
守山駅前東口スポーツ広場
守山駅前東口スポーツ広場は、昭和55年6月に完成しました。ナイター照明を兼ね備えた多目的広場で、ソフトボールや少年野球などで利用されてきた施設です。
一方で、村田製作所は野洲市や東近江市に事業所を構えており、本社との間の交通アクセスの良い場所に、新たな研究開発拠点の整備を検討し、21年1月ごろから守山市と協議を続けていた。新施設には土地代を含まず約128億~200億円を投…
JR貨物用地(駐車場)
JR貨物用地と記載していますが、NPC24H守山駅東口パーキング(駐車場)として利用されていた場所です。
まとめ
JR守山駅東口に2025年度を竣工目標に、村田製作所が研究開発拠点(新守山事業所)を建設中について、解説してきました。
村田製作所は京都府長岡京市に本社を構えながら、滋賀県の野洲市・東近江市に事業所を構えています。新たに拠点となる事業所を構えるなら、交通アクセスの良い守山市を選定するのは自然なことなのかもしれません。
高さ約100mの超高層ビルに、従業員約1,600人が毎日通勤するとなるとJR守山駅周辺の環境は、更に再開発され洗練された街並みになるように思えます。
しがそび-shigasobi-では、今後も村田製作所・守山事業所の工事状況、JR守山駅周辺の再開発を追っていきたいと思いますので、良かったら当サイト”しがそび“を[保存] していただき更新を待ってていただけると嬉しいです^^
他にも滋賀の新しい大型施設の建設情報がありましたら、是非にコメント欄より教えてくださいね^^
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