紫式部ゆかりの
花の寺。
石山寺とは?
石山寺は聖武天皇の勅願で、東大寺を開山した良弁によって開かれた東大寺との関わりが深い寺院です。
ちなみに、お寺の名前の由来にもなった境内の奇岩は「硅灰石(けいかいせき)」といって、この珪灰石の上にお堂が建てられていることから、”石山寺”といいます。
この巨大な珪灰石は、古代から奇岩景勝地として知られており、神秘性をおびた奇岩怪石のこの場所を選んで石山寺は建立されたと考えられています。
大切に保全され続けてきた”石山寺珪灰石”は、1922年(大正11)に国の天然記念物に指定されいます。
基本情報
寺院名 :石光山 石山寺(せっこうざん いしやまでら)
住所 :滋賀県大津市石山寺1丁目1-1
創建 :747年(天平19)
宗派 :東寺真言宗
駐車場 :あり / 有料
札所 :西国三十三所 13番
江州三十三観音 1番
近江西国三十三観音霊場 3番
近江西国三十三観音霊場第3番
びわ湖百八霊場第1番
神仏霊場巡拝の道第146番(滋賀第14番)
縄文時代の石山貝塚
石山寺観光駐車場へ車を停め、山門へと歩く道中に「石山貝塚」の記念碑が建っています。
貝塚とは縄文時代に人々が食べた貝の殻が捨てられて堆積したもので、この辺りで発見された貝塚は約7000年前の縄文時代早期の遺跡で、淡水の貝塚としては日本最大規模。
この貝層は東西約20m、南北約50mの広さで、石山寺の前あたりに堆積していたことから”石山貝塚”と名付けられました。
石山貝塚からは、人骨や動物の骨など豊富な遺物が出土しており、石山観光会館にはぎとった貝層が展示されているので、時間があったら立ち寄ってみてくださいね。
瀬田川流域にかけては縄文遺跡が多く、貝塚の存在はこの土地が数千年前から豊かで、住みやすい土地だったことを物語っています。
大量のシジミ貝殻や土器類などが発見された粟津湖底遺跡の調査平成2年から調査されたは琵琶湖博物館で常設展示されています。
石山寺と観音信仰
日本で最も古い観音巡礼の西国三十三所巡礼。
その第十三番札所である石山寺は安産・福徳・厄除・縁結のご利益があり、現在も多くの方の信仰を集めています。
観音とは観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の略で、観音経に「観音を念じれば、いかなる窮地に立っても救いが訪れる」と説かれています。
飛鳥時代に伝来したとされる観音信仰は、信仰した結果ぎこの世で実ることから、奈良時代に建立された石山寺が人々の心の拠り所であったと思われます。
文学の寺としての石山寺
創建以来、朝廷や貴族の尊崇を受けた石山寺。
平安時代には女流文学者も多く参拝し、紫式部が源氏物語を起筆したと言う伝説は有名です。
都にほど近く、琵琶湖の風景を堪能しながら石山寺に参詣することは、観光を含め貴族の女性たちの楽しみでもあったとか。
日本最古の多宝塔
源頼朝の寄進と伝えられる多宝塔は、1194年に建立された日本最古の多宝塔といわれていて、快慶作とされる大日如来像が安置されています。
鎌倉時代の遺構として貴重な多宝塔は、昭和26年に国宝に指定されました。
花の寺
石山寺境内には一年を通じて、四季折々の花が咲き誇ることから、「花の寺」としても知られています。
歴史のうつろいを感じながら、一年を通して鮮やかな風景を堪能できます。
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